はじめに
今回は女性を中心に人気を集めている「プラセンタ」について、医学的見地から詳しく解説していきます。美容や健康に関する情報があふれる現代において、科学的根拠に基づいた正確な情報をお届けすることが私の使命だと考えています。プラセンタというワードは聞いたことがあっても、実際にどんなものなのか、どのような効果があるのかを詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?この記事を通して、プラセンタの本当の価値を理解していただければ幸いです。
プラセンタとは?その正体と科学的背景
プラセンタとは、哺乳類の胎盤のことを指します。胎盤は妊娠中に母体と胎児をつなぎ、酸素や栄養素の供給、老廃物の排出など、胎児の成長に不可欠な役割を果たす臓器です。医学的にはこの胎盤から抽出された成分が「プラセンタエキス」として利用されています。
プラセンタには、以下のような生理活性物質が豊富に含まれています:
- 成長因子(EGF、FGF、IGFなど):細胞の成長や再生を促進
- アミノ酸:タンパク質の合成に必要な基本要素
- ビタミン・ミネラル:代謝を円滑にする補酵素として機能
- 核酸:DNAやRNAの構成要素として細胞の機能維持に関与
- ヒアルロン酸:保湿や組織修復に関与する成分
これらの成分が複合的に作用することで、プラセンタは細胞の活性化や組織の修復、代謝の促進などの効果をもたらすとされています。
🩺 メモ:プラセンタは単なる栄養素の集合体ではなく、生命の維持と発達に関わる「生体情報物質の宝庫」と言えるでしょう。この点が一般的なサプリメントと大きく異なる点です。
プラセンタの歴史:なぜ体に良いとされるようになったのか
プラセンタの利用の歴史は古く、紀元前から中国や古代エジプトでは胎盤を治療や美容の目的で使用していたとされています。しかし、現代医学におけるプラセンタ療法の起源は、1930年代のスイスの医師ポール・ニーハンスによる細胞療法にまで遡ります。
日本での本格的な研究と利用は1950年代に始まり、1970年代には医薬品として認可され、肝機能障害や更年期障害の治療に用いられるようになりました。美容目的での注目度が高まったのは1990年代以降で、特に皮膚科や美容医療の分野での研究が進み、エビデンスが蓄積されてきました。
現在では科学的研究の進展により、プラセンタの有効性についての理解が深まり、医薬品だけでなく化粧品やサプリメントなど様々な形で提供されるようになっています。
🩺 メモ:私が研修医だった頃は、プラセンタは「怪しげな民間療法」と見られがちでしたが、この20年で科学的なアプローチが進み、医学界での評価も変わってきました。エビデンスに基づいた適切な利用が重要です。
プラセンタを摂取するとどうなる?作用機序と体内プロセス
プラセンタを摂取した場合、体内ではどのようなプロセスが起こるのでしょうか?その作用機序について解説します。
経口摂取の場合
サプリメントなどで経口摂取された場合、プラセンタに含まれる栄養成分の多くは消化器系で分解されます。アミノ酸やペプチド、ビタミン、ミネラルなどは腸から吸収され、血流に乗って全身に運ばれます。しかし、成長因子などの高分子タンパク質は消化過程で分解されるため、直接的な効果は限定的と考えられています。
注射・点滴の場合
注射や点滴による投与では、プラセンタエキスは直接血流に入り、より効率的に全身に届きます。成長因子などの生理活性物質が分解されにくいため、経口摂取に比べて高い効果が期待できます。医療機関で行われるプラセンタ療法の多くはこの方法を採用しています。
局所塗布の場合
化粧品として皮膚に塗布する場合、分子量の小さい成分の一部は角質層を通過して真皮まで到達し、線維芽細胞の活性化などを促します。ただし、高分子の成分は角質バリアを通過することが難しく、主に表皮での保湿効果などが中心となります。
いずれの摂取方法でも、プラセンタの成分が細胞に働きかけることで、細胞の代謝活性化、抗酸化作用、コラーゲン産生促進などの効果をもたらし、結果として様々な生理機能の改善につながると考えられています。
🩺 メモ:効果を最大化するには摂取方法が重要です。自分の目的に合った摂取方法を選ぶことをお勧めします。美容目的なら塗布タイプと内服の併用が、全身の健康維持なら注射が効果的なことが多いです。
男女による違い:プラセンタの性差別効果
プラセンタの効果は男女で差があるのでしょうか?基本的な作用機序は共通していますが、ホルモンバランスや生理的特性の違いから、一部の効果に差が生じることがあります。
女性特有の効果
女性の場合、特に以下の効果が顕著に現れることがあります:
- ホルモンバランスの調整:女性ホルモン(エストロゲン)の分泌に関わる視床下部-下垂体-卵巣系に作用し、月経不順や更年期障害の改善に効果を示すことがあります。
- 肌の質改善:女性は男性に比べて皮膚が薄く、エストロゲンの減少による肌の老化が顕著なため、プラセンタのコラーゲン生成促進効果や保湿効果がより実感されやすいと言われています。
- 妊娠線の改善:妊娠によるストレッチマークに対して、組織修復効果が期待されています。
男性にも有効な効果
男性の場合も、以下のような効果が期待できます:
- 疲労回復・スタミナ向上:代謝促進作用や抗酸化作用による全身の活性化
- 肝機能サポート:アルコール摂取などによる肝機能低下の改善
- 髪の毛への効果:頭皮環境の改善や発毛促進効果
🩺 メモ:臨床現場では、男性患者さんにもプラセンタ療法を勧めることがあります。特にストレスの多い現代社会では、性別を問わず疲労回復や免疫機能の向上に効果を発揮することが多いです。
プラセンタの健康効果:医学的エビデンスから見る有効性
プラセンタの健康への効果は多岐にわたります。科学的研究から支持されている主な効果を以下に紹介します。
1. 肝機能の向上
プラセンタは肝細胞の再生を促進し、解毒機能を高める効果があります。日本では肝機能障害の治療薬として長年使用されており、アルコールや薬物による肝機能低下の改善に効果が認められています。
2. 免疫調整作用
プラセンタには免疫系を調整する作用があります。過剰な免疫反応を抑制する一方で、低下した免疫機能を活性化する「免疫モジュレーター」としての役割を果たします。これにより、アレルギー症状の緩和や感染症への抵抗力向上が期待できます。
3. 疲労回復・スタミナ増強
プラセンタに含まれるアミノ酸や核酸は、エネルギー代謝を促進し、疲労物質の排出を助ける効果があります。特に慢性疲労や体力低下に悩む方に効果的です。
4. 更年期障害の緩和
ホルモンバランスを整える作用により、ホットフラッシュ、不眠、イライラなどの更年期症状を緩和する効果が臨床研究で確認されています。
5. 抗炎症作用
慢性的な炎症を抑制する効果があり、関節炎や腱鞘炎などの炎症性疾患の症状改善に寄与します。
🩺 メモ:プラセンタの健康効果で特に注目しているのは「生体防御システムの活性化」です。単に症状を抑える対症療法ではなく、身体本来の治癒力を高める点が魅力的です。
プラセンタの美容効果:臨床的観点からの評価
美容面でのプラセンタの効果は、多くの人が最も関心を持つ部分でしょう。科学的に確認されている主な美容効果は以下の通りです。
1. 肌の再生・修復促進
プラセンタに含まれる成長因子(EGF、FGFなど)は、表皮細胞や真皮の線維芽細胞に働きかけ、細胞の再生と修復を促進します。これにより肌のターンオーバーが正常化し、傷跡やシミの改善、きめの整った肌質への変化が期待できます。
2. コラーゲン・エラスチン産生の促進
線維芽細胞を活性化することで、肌の弾力を保つコラーゲンとエラスチンの産生を促進します。これにより、年齢とともに現れるしわやたるみの予防・改善効果が期待できます。
3. 保湿効果の向上
プラセンタに含まれるヒアルロン酸やムコ多糖類は保湿効果に優れ、肌の水分保持能力を高めます。また、天然保湿因子(NMF)の生成を促し、乾燥肌の改善に役立ちます。
4. 美白・色素沈着の改善
メラニン生成を抑制する作用があり、シミやそばかすの改善、全体的な肌色の明るさの向上に効果を示します。
5. 抗酸化作用
活性酸素から肌を守り、光老化(紫外線によるダメージ)を防ぐ効果があります。これにより、肌の老化プロセスを遅らせる効果が期待できます。
🩺 メモ:美容効果を実感するには継続が重要です。効果は個人差がありますが、通常3〜6ヶ月の継続使用で変化を感じる方が多いです。また、外用と内服の併用で相乗効果が得られることも臨床的に経験しています。
おすすめプラセンタ製品:医師の視点から見る選び方と製品紹介
多くのプラセンタ製品が市場に出回っていますが、効果的な製品を選ぶためのポイントと、医師として推奨できる製品カテゴリーを紹介します。
製品選びのポイント
- 原料の質と安全性
- 安全性が確認された原料(ヒト由来ではなく、主に豚や馬由来)を使用していること
- 製造過程での品質管理が徹底されていること
- 第三者機関による検査を受けていること
- 有効成分の濃度
- プラセンタエキスの含有量が明記されていること
- 低分子化処理など吸収率を高める工夫がされていること
- 製造メーカーの信頼性
- 医薬品メーカーや研究実績のある企業の製品であること
- 製造履歴が明らかであること
おすすめ製品カテゴリー
内服タイプ
- 医療用プラセンタ注射
- 医療機関でのみ受けられる最も高濃度で効果的な方法
- 健康保険が適用される場合と自費診療の場合があります
- プラセンタサプリメント
- 日常的に摂取しやすく、全身への効果が期待できる
- カプセルタイプやドリンクタイプがあり、続けやすいものを選ぶとよい
外用タイプ
- プラセンタ配合美容液
- 濃度が高く、肌への浸透を重視した製品がおすすめ
- 他の美容成分(ビタミンCなど)との複合処方も効果的
- プラセンタマスク
- 集中ケアに適しており、特別なイベント前などに使用すると効果的
🩺 メモ:私自身は患者さんに推奨する際、まずは内服と外用の併用から始めることが多いです。効果を感じられた方には、より効果の高いプラセンタ注射を検討していただきます。予算や目的に応じた段階的なアプローチが大切です。
筆者おすすめのプラセンタ製品
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プラセンタ使用の注意点と副作用
プラセンタは多くの方に安全に使用されていますが、いくつかの注意点や副作用のリスクも存在します。
考えられる副作用
- アレルギー反応
- 動物由来成分のため、アレルギー体質の方は注意が必要
- 使用前のパッチテストが推奨される
- 注射部位の反応
- 注射の場合、注射部位の発赤、腫れ、痛みが生じることがある
- 通常は一時的なものだが、持続する場合は医師に相談する
- 個人差による効果の違い
- 体質や状態により、効果の現れ方に大きな個人差がある
- 効果を実感するまでの期間も個人により異なる
使用を控えるべき方
- 妊娠中・授乳中の方
- 重度の肝疾患、腎疾患のある方
- 自己免疫疾患の活動期にある方
- 悪性腫瘍のある方
🩺 メモ:副作用の多くは適切な使用方法を守ることで回避できます。不安な場合は、必ず専門医に相談することをお勧めします。「効果があるから」と推奨量を超えて使用することは避けましょう。
まとめ:プラセンタの可能性と適切な活用法
プラセンタは、単なる美容成分ではなく、生体の再生と活性化を促す複合的な生理活性物質であることがおわかりいただけたと思います。科学的研究の進展により、その効果と安全性への理解が深まり、現代医療と美容の両分野で重要な位置を占めるようになっています。
プラセンタ活用の要点
- 目的に合った製品選び
- 健康目的なら内服タイプ
- 美容目的なら内服と外用の併用
- より高い効果を求めるなら医療機関での注射
- 継続使用の重要性
- 効果は蓄積的に現れるため、最低3ヶ月程度の継続使用が理想的
- 一時的な使用よりも、長期的な体調管理や美容ケアの一環として取り入れる
- 総合的なアプローチ
プラセンタは決して万能薬ではありませんが、適切に活用することで、現代人の健康維持や美容の悩みに対する有効なサポートとなることが期待できます。自分の体質や目的に合った製品を選び、正しい知識を持って活用していただければ幸いです。
最後に、プラセンタ製品の選択や利用方法について不明点がある場合は、美容医療や統合医療の専門医への相談をお勧めします。個々の状態や目的に合わせた、最適なアドバイスを受けることができるでしょう。
🩺 メモ:医療の進歩とともに、プラセンタの新たな可能性も広がり続けています。私自身も日々の臨床と研究を通じて、プラセンタの効果を最大化する方法を探求しています。皆さんの健康と美しさの維持にお役立ていただければ幸いです。






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